ムスリムの食堂

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近所の注文食堂へ入ってみた。初めて入る食堂で、そこに食堂があることも知らなかった。たまたま通り掛かったときに中華鍋で何かを調理する様子が目に留まった。中に入りかりかり豚のカレーペースト炒めを注文すると、かりかり豚は無いと言う。この手の食堂では切らすことの珍しくない食材だから特に何も感じず、だったら普通の豚肉でと注文し直した。ところがそれも無いという。そこでようやく気が付いた。ここはムスリムの食堂だ。イスラム教徒は豚肉は食べない。私はここ数年はムスリムの多い地域に住んでいて、だからよくわかっているつもりでいたのだけど、ときどき世間に豚を食べない人たちがいるということを忘れてしまうことがある。見るとメニューの脇に「ไม่ขายหมู(豚肉は扱っていません)」と大きく書いてある。とんだ失礼をしてしまった。中華鍋を振っていたおばさんは少し苦々しい表情をしたあと、何かを思い出したような顔をして、急に英語で「チキン?ビーフ?」と聞いてきた。私が外国人だからムスリムの食堂では豚肉を出さないということを知らないのかもしれないと捉えてくれたように見えた。私は英語で「チキン」と頼んで料理を待ち、料理が運ばれてきたところでおばさんに謝った。もう済んだことのようにも思えたけれど、何となく誤魔化したような感じがして嫌だったから。自分の故郷にはムスリムがほとんどいないので、豚肉を食べない人たちがいることをつい忘れてしまうことがある。そう説明して謝った。おばさんは笑って「だいじょうぶよ」と言った。それから少し世間話をして、営業日と営業時間を確認して食堂を出た。タイのムスリムは南部に多いけれど、この辺りに住むムスリムも南部出身者か南部にルーツのある人たちばかりだと聞く。この食堂で出された料理も、南部らしい味付けが濃くやや辛めのパンチの効いたおいしいごはんだった。思いがけずに近所においしい食堂を見つけることができて、うれしい気持ちになった。

 

2019年6月30日(日)

ガウガウ

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タンワーとブーは仲がいい。毎日追いかけっこをしたりガウガウしたり元気に遊んでいる。まるで兄弟みたいだ。タンワーはギーとこれがやりたかったのではないかなと思う。年老いたギーはタンワーの子供っぽい誘いを本気で嫌がった。強く拒否されたタンワーは頭に来るのか、ギーに乱暴なちょっかいを出したりもした。だから、喧嘩になりがちだった。静かにしていたいギーはかわいそうだったし、タンワーもさみしかったかもしれない。

 

2019年1月2日

 

心の準備

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ちびこもいつかいなくなる。くまがいなくなって、くまの息子であるギーもいなくなった。ギーの娘であるちびこがいなくなると、私とソイ・セーンスック(路地の名前)の犬たちとの関わり合いは終わる。想像もできないけれど、想像ぐらいはしておいたほうがいいのかもしれない。

 

2019年1月2日

建設中の地下鉄

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ラムカムヘン通りに高架の柱が立っていく。地下鉄オレンジラインは途中から地上へ出て高架の上を走るようで、この辺りは景観が変わることになる。どちらがよいとも悪いとも思わないけれど、今まで見てきた景色が二度と見られなくなるのには違いない。

 

2019年1月1日